本文へ移動する

声優の声は「許可なくAIで使わない」、AIで作った曲には印を。AIのモラルづくりが進んでいます

川登が、古いスタンドマイクとヘッドホンの横に立ち、片手を軽く上げて、おだやかにほほえんでいる。まわりには音符が浮かび、ハートの入った小さな吹き出しがある

AIの「モラル」に関わる発表が、同じ週に2つ出ました。

1つは、声優さんたちの団体から。 もう1つは、YouTube Music からです。

📌 何が発表されたの?

何があった

1つ目は、声のルールです。 俳優・声優 約2,600人が入っている日本俳優連合(日俳連)が、10月15日に「音声に関する生成AI利用ガイドライン」を発表しました。

大事な点は4つです。

  • 事前の許可:AIに声を覚えさせるとき、声を作るとき、それを公開・利用するとき。どの段階でも、目的を伝えて、本人の許可を先にもらう
  • 報酬:AIで作った声を使うことは、本人が新しく演じたのと同じこと。きちんと報酬を払う
  • ほかの言語:AIで外国語の吹き替えを作るときも、あらためて許可と追加の報酬が要る
  • 亡くなった人の声:AIでよみがえらせるなら、遺族などの許可が必ず要る

2つ目は、AIの曲の「印」です。 YouTube Music が10月14日(アメリカの時間)から、おもに生成AIで作られた曲に、印(ラベル)を付け始めました。

  • どんな曲に:おもに生成AIで作られた曲(たとえば、メロディーと歌声をAIで作ったもの)
  • どこに:再生している画面に表示。押すと、くわしい説明が出る
  • どうやって見分ける:音楽の会社などと協力しつつ、YouTube 自身の見分ける仕組みも使う
  • これから:YouTube の本体のアプリにも広げる予定

何が変わる

日俳連のガイドラインは、法律ではなく、業界の自主的な基準です。 それでも、「声優さんの声を勝手にAIで使うのはダメ」という線を、はっきり示したことになります。

日本には、声そのものを守る法律がまだありません。 顔や姿には「肖像権」の考え方がありますが、声は空白のまま、と日俳連は説明しています。 そのため、国への法律づくりの働きかけも強めるそうです。

YouTube Music の印は、聞く側にとっての変化です。 「この曲、AIが作ったのかな?」と思ったときに、画面で確かめられるようになります。 ただ、日本でいつから表示されるかは、発表には書かれていません。

試すなら

AIで声や音楽を作れるサービスは、いまはだれでも手軽に使えます。 だからこそ、使う側として、次の2つは覚えておきたいところです。

  • 人の声をまねしない:好きな声優さんや有名人の声を、AIでまねして公開しない。遊びのつもりでも、本人の許可が無いものは出さない
  • AIで作ったことを書く:AIで作った曲や声を公開するときは、「AIで作りました」と添える

まとめると: 声優・俳優の団体が「声をAIで使うなら、どの段階でも本人の許可と報酬を」というガイドラインを出しました。YouTube Music は、AIで作った曲に印を付け始めました。どちらも「黙ってAIを使わない」ためのルールです。

出典:日本俳優連合「音声に関する生成AI利用ガイドライン」発表(2026年10月15日)/YouTube 公式ブログ(2026年10月14日)

🤝 2つに共通する「AIのモラル」

声のルールと、曲の印。 話はちがいますが、根っこは同じです。

  • 黙って使わない:人の声や作品をAIに使うなら、先に本人に聞く
  • AIだと分かるようにする:AIで作ったものは、AIで作ったと分かる形で出す

日俳連の発表文には、こんな現状が書かれていました。 声優さんの過去の出演作品が、ネットから勝手に集められてAIに覚えさせられ、本人そっくりの声が、知らないところで商売やフェイク動画に使われている。

声は、長い時間をかけて磨いてきた、その人そのもの。 それを勝手に使われるのは、仕事を奪われるだけでなく、その人の尊厳を傷つけることだ、と日俳連は訴えています。

AIは、だれでも人の声や絵や文章をまねできる道具です。 だからこそ、技術のルール(法律)より先に、使う人ひとりひとりのモラルが問われている、ということなんだと思います。

出典:日本俳優連合「音声に関する生成AI利用ガイドライン」発表(2026年10月15日)

💬 今日のひとこと

昨日、ChatGPTに日本語の新しい声が加わった、という記事を書きました。 AIの声がどんどん自然になっていく一方で、こういうルールも同じ週に出てくる。 ちょうど今が、境目なのかもしれません。

私も、AIで記事のアイキャッチの絵を作っています。 ただ、元にしているのは自分の似顔絵だけ。 人の顔や作品をまねさせることはしないようにしています。

「これ、本人がいいって言ってるかな?」 AIで何かを作るとき、この一言を思い出すだけで、だいぶ違う気がします。

AIを仕事に入れてみたい方へ。 とわラボでは、AIの使い方のご相談や、AIを使ったWEBアプリづくりを承っています。お問い合わせはこちら

ほかの記事

記事の一覧へ