本文へ移動する

ATMを支える古い言葉「COBOL」。OpenAIのAI、書き直しの成功が5.4%から86.6%に

川登が、左の古いベージュのパソコン(緑に光る画面)と、右の新しい銀色のノートパソコンのあいだに立ち、口を開けて笑いながら右を指さしている。白くて丸い小さなロボットが、古くて分厚い本を抱えて、きらきらしながらノートパソコンのほうへ運んでいる

OpenAI の新しいAIが、古いプログラミング言語に強くなりました。

中でも目立つのが「COBOL(コボル)」です。 60年以上前に生まれた言葉ですが、今も銀行や ATM の裏で動いています。

COBOL のプログラムを別の言語に書き直すテストで、成功が5.4%から86.6%に上がりました。 何がすごくて、どこに気をつけるのか。ふつうの言葉でまとめます。

📌 何が発表されたの?

何があった

OpenAI が2026年10月19日(米国時間)に、「古くて、お手本の少ないプログラミング言語」でのAIの力が大きく伸びた、と発表しました。 名前が挙がっているのは、COBOL、Fortran(フォートラン)、Visual Basic などです。

Python のような人気の言語は、ネット上にお手本がたくさんあります。 古い言語はお手本が少ないので、AIはこれまで苦手でした。

いちばん大きく伸びたのが、COBOL のプログラムを、今の言語(Java や Python など)に書き直すテストです。

COBOL の書き直し、成功の割合

前のモデルGPT-5.6 Sol5.4%
新しいモデルGPT-6.1 Sol・考える量 少なめ86.6%
新しいモデルGPT-6.1 Sol・考える量 多め97.9%

20回に1回だったのが、10回に8〜9回に

しかも、同じ設定どうしで比べると、費用は前のモデルの6割ほどで済んでいるそうです。

何が変わる

古いシステムを直したり、新しい仕組みに移したりする仕事を、AIが手伝える範囲が広がります。

もうひとつのテストでは、20種類の言語で、データベースの仕組みを一から作らせています。 こちらも、平均の合格の割合が26.8%から87.4%(GPT-6 Astra)に上がりました。 20種類のうち19種類で83%を超え、いちばん難しかったのはやはり COBOL(72.1%)だったそうです。

試すなら

今回の新しいモデルは、開発者向けの API(プログラムからAIを呼び出す口)で試せる、と OpenAI は書いています。 ふつうの人が COBOL を書くことは、まずないですよね。

ただ、身近な「古いプログラム」もあります。 Excel のマクロ(VBA)は、Visual Basic の仲間です。 「前の担当の人が作ったマクロ、誰も中身が分からない」という会社は多いと思います。

まずは、直させる前に「説明させる」のがおすすめです。

ChatGPT や Claude に貼る文(古いマクロを説明してもらう)

下に、Excel のマクロ(VBA)を貼ります。
まだ直さないでください。
何をしているマクロかを、プログラムを知らない人にも分かる言葉で、順番に説明してください。
お金の計算や、端数の切り捨て・四捨五入をしているところがあれば、特に詳しく教えてください。

(ここにマクロを貼る。会社の名前やお客さんの情報は消してから)

まとめると: OpenAI の新しいAIが、COBOL などの古い言語に強くなりました。COBOL の書き直しのテストでは、成功が5.4%から86.6%に。まずは開発者向けの API で試せます。

出典:OpenAI「Advancing coding in low-resource programming languages」(英語、2026年10月19日)/MultiLangBench(GitHub)

🏦 COBOLって、どこで使われているの?

COBOL は、お金や事務の計算のために作られた言語です。 OpenAI は IBM の数字を引いて、こう書いています。

COBOL が支えているもの

ネットバンキングの仕組み

40%以上

IBM の数字

お店でのカード払い

80%

IBM の数字

ATM の取引

95%

IBM の数字

いつも使う ATM の裏で、60年選手が動いています

Fortran も、天気予報や原子炉の安全の計算で使われているそうです。

困るのは、直せる人が減っていることです。 OpenAI は、こんな声が多いと書いています。

  • 説明の書類がそろっていない
  • 作った人が、もう会社にいない
  • 大事な決まりごとが、プログラムの中にしか書かれていない

AIがこの言葉を読めるようになれば、古いシステムを守る人の大きな助けになります。

出典:OpenAI の発表(英語、2026年10月19日)(2026年10月22日に確認)

💰 書き直しで、いちばんこわいのは「端数」

OpenAI が例に出していたのが、お金の端数です。

COBOL は、何も言わなければ、決められた桁より下を切り捨てます。 書き直したプログラムが、うっかり四捨五入にしてしまうと、どうなるか。

同じ数字でも、答えがずれる(説明のための例)

もとの COBOL

  • 100.456 を小数2けたに
  • 切り捨てて 100.45

書き直した版

  • うっかり四捨五入
  • 100.46 になる

エラーは出ないのに、金額だけがずれます

動くのに、答えがちがう。 これがいちばん見つけにくいまちがいです。 1件なら小さな差でも、銀行の取引の数をかけると大きくなります。

だから OpenAI のテストは厳しめです。 中身を見せないテストで、出てくる結果が1文字(1バイト)まで同じかを確かめ、全部のテストに合格したときだけ「成功」と数えています。

⚠️ そのまま本番に使えるわけではありません。 OpenAI 自身も、実際のシステムに使うには、専門の人の確認と、その会社の決まりごとに合わせたテストが今も必要だ、と書いています。

出典:OpenAI の発表(英語、2026年10月19日)(2026年10月22日に確認)。100.456 の例は、説明のためにとわラボで作ったものです

💬 今日のひとこと

AIのニュースというと、新しいものの話が多いですよね。 今回は逆で、「古いものを守る」ほうにAIが強くなった話です。

新しいアプリを作るより、動いているものを壊さずに直すほうが、ずっと難しい。 小さな会社の Excel のマクロも、同じだと思います。

「誰も分からないマクロ」がある方は、まず説明させるところから試してみてください。📊

AIを仕事に入れてみたい方へ。 とわラボでは、AIの使い方のご相談や、AIを使ったWEBアプリづくりを承っています。お問い合わせはこちら

ほかの記事

記事の一覧へ