AIを信じて山で遭難、AIの代金は年3,000万円。AIとの「ちょうどいい距離」を考えた
今日は、AIの「両極端」の話をふたつ持ってきました。
ひとつは、AIで登山の計画を立てて、山で一晩取り残された3人の話。 もうひとつは、AIの代金に、年間で最大20万ドル(約3,000万円)を使っている社長の話です。
頼りすぎた人と、使いこんでいる人。 並べてみると、ふつうの人のちょうどいい使い方が見えてくる気がしたんですよ。
⛰️ AIで計画した登山で、3人が救助された
何があった
アメリカ・カリフォルニア州のシャスタ山での話です。 登山の初心者の男性3人が、GoogleのAI「Gemini」で、道のりと持ち物を計画しました。
ところが、8時間の予定だった登りが、何日もかかることに。 1人が転んでひざをけがし、3人は谷で一晩を過ごしました。 翌朝、森林局のレンジャーと救助のボランティアに見つけられ、登山口まで連れ帰られています。
地元の報道は9月の初めでした。 11月にはアメリカの雑誌WIREDが、「AIが登山者を迷わせている」という話として改めて取り上げています。
AIの何がまちがっていた?
AIのすすめと、実際
AIのすすめ
- 食べ物と水は、少なめで足りる
- 脂肪は消化に時間がかかるので、炭水化物を
実際
- 必要な量より、ずっと少なかった
- 3人は、つかれて、おなかがすき、脱水の状態で見つかった
保安官事務所は、これを「重大な失敗」と発表しました
地元の保安官事務所によると、AIは、必要な量よりずっと少ない食べ物と水をすすめていました。 また「脂肪は消化に時間がかかるから」と、炭水化物をすすめたそうです。
報道のまとめによると、救助隊は、AIが作ったまちがった山の地図にも出会ったそうです。
ただ、登山レンジャーの責任者は「AIだけのせいではない」とも話しています。 山の上での判断にも問題があり、AIを信じたことで、初心者が自信を持ちすぎたのではないか、ということです。
レンジャーのすすめ
- 正午ごろには、頂上に着いていなくても引き返す
- 雪崩の情報センターや、森林局のレンジャー署など、信頼できる所で情報を確かめる
- スマホだけに頼らず、道を確かめる手段を、いくつか持っていく
まとめると: AIは、自信ありげにまちがえることがあります。命にかかわる計画は、AIの答えを「下書き」にして、その道の公式の情報で確かめましょう。
出典:Jefferson Public Radio「Mount Shasta hikers relied on AI. Their trip ended in a rescue」(2026年9月4日)、The Neuron(2026年11月3日。WIREDの記事のまとめ)(2026年11月4日に確認)
💸 AIの代金は、年3,000万円
もうひとつは、まったく逆の話です。
新しい会社を育てることで有名な「Y Combinator」の社長、ギャリー・タンさん。 ポッドキャストで、AIの代金に年間10万〜20万ドル(約1,500万〜3,000万円)を使っていると話しました。 「だれにでもできることではない」ぜいたくだと、本人も認めています。
タンさんがAIに任せていること
仕事
- ポッドキャストの下調べ、聞くことの準備
- たくさんのプログラムづくり
くらし
- メールやメモを読ませて、先回りして助言させる
- 20年分のカウンセリングのメモまで渡している
円は1ドル150円で計算した目安です
仕事では、ポッドキャストの下調べや、たくさんのプログラムづくりに。 くらしでは、メールやメモをAIに読ませて、いつもそばで先回りして助言してくれる存在にしているそうです。
一方で、AIが広まるには、もっと安くなる必要がある、とも話しています。
出典:TechCrunch(2026年11月2日)(2026年11月4日に確認)
⚖️ ふたつの話から分かること
片方は、AIを信じて山で困った人。 もう片方は、AIを使いこんで、仕事もくらしも任せている人。
正反対に見えますが、どちらも「AIにどこまで任せるか」の話なんですよね。
ふつうの人のちょうどいい使い方
- 下書きと、調べ物の入り口はAIに計画のたたき台・持ち物の一覧など
- 命・お金・健康は、確かめる公式の情報や、その道の人に
- 最後は、自分で決めるAIの答えは「意見のひとつ」
AIをたくさん使う人ほど、確かめる手間を惜しまない
AIに任せる量は、人それぞれでいいと思います。 ただ、命・お金・健康にかかわることだけは、AIの答えを公式の情報で確かめる。 この線を引いておけば、山の3人のようなことは避けられそうです。
💬 今日のひとこと
AIの答えは、いつも自信ありげなんですよね。 まちがっているときも、同じ調子で答えてきます。
私も、旅の計画をAIに手伝ってもらうことがあります。 でも、電車の時間やお店の休みは、最後に公式のページで確かめるようにしています。
年3,000万円は無理でも、確かめる1分なら、だれでもかけられます。⛰️
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